TOPへTOPへ

投稿記事

尿路結石の再発予防に適している飲み物とは?

コラム

前回、夏場に尿路結石が増加することをお話いたしました。夏場は、汗を多くかき、水分が不足すると尿が濃くなり、結晶(結石)ができやすくなります。これは、理科の実験で濃い食塩水から塩が結晶化することをイメージすると分かりやすいかもしれません。だからこそ、「尿を薄めるための水分補給」が第一の対策になります。

水分摂取が必要なのは分かるが、どの飲み物が良いのでしょうか?とよく聞かれます。

専門的に、一番お勧めしている飲料は麦茶です。

シュウ酸やプリン体、糖分を多く含む飲料は尿路結石が出来やすくなるため、控えた方が良いです。具体的には、コーヒーや紅茶、緑茶にはシュウ酸という成分が多く含まれています。シュウ酸はカルシウムと結びついて「シュウ酸カルシウム結石」の原因になります。尿路結石の中でも特に多いタイプです。

また、ここで注意が必要なのが、コーヒーや紅茶、緑茶などにはカフェインが含まれており、利尿作用で一見良さそうに見えますが、体内の水分をさらに失わせる作用もあるため、実は脱水を助長する恐れがあります。また、利尿作用によって頻尿が悪化することもあります。

その点、麦茶は、カフェインゼロ、シュウ酸もほとんど含まれていないため、安心して摂れる飲み物です。夏場でもゴクゴク飲みやすく、ミネラルも補給でき、予防にぴったりです。

とは言っても、麦茶だけ、飲み続けるのは、飽きてしまう・・という方もいらっしゃると思います。お茶の中では、ほうじ茶がカフェイン、シュウ酸が少ないため、組み合わせて飲むことも良いでしょう。また、シュウ酸を摂取する際に、カルシウムが含まれる食品と一緒に摂取すると、尿の中のシュウ酸が濃くなりにくくなるため、コーヒーや、紅茶を飲むときは、牛乳を入れてカフェラテやミルクティーにすれば、結石予防になりやすいです。私もそうですが、コーヒー、紅茶や緑茶を息抜きで飲む時間も人によっては大切なので、尿路結石の方でも、1日2杯ぐらいを気をつけながら飲んでいただく分には問題ないと思います。静岡県内は土地柄緑茶を愛飲している方も多いですので、緑茶に偏らず、ほうじ茶などもうまく組み合わせて水分摂取を行うのが良いでしょう。

尿路結石の方が水分摂取を習慣化するためには、冷蔵庫に常備しておく、マイボトルを持ち歩く、食事と一緒に飲むなど、生活の一部にしてしまうことがコツです。

尿路結石は、痛みが出てからでは辛いことがあります。習慣化して日々の予防を前向きに行ってみてください。