頻尿にやさしい飲み物とは?カフェインとアルコールに注意
前回、尿路結石の方の飲水についてお話しましたが、「トイレが近い」「急に尿意が来て我慢できない」、このような頻尿やいわゆる過活動膀胱に悩む方にとって、どのような飲み物が良いのでしょうか?かなりよく聞かれる質問のため、少しお話させていただきます。
飲み物の選び方は、症状を和らげるのに大きな影響を与えます。まず、気をつけたいのがカフェインの摂取です。カフェインは膀胱を刺激し、尿意を強めたり、利尿作用で頻尿や夜間排尿を悪化させたりすることがあります。コーヒーや紅茶、緑茶などがよく知られていますが、コーラにも1リットルあたり約100mgのカフェインが含まれております。これらを、知らずにたくさん飲んでいると、気づかぬうちにカフェインの過剰摂取につながってしまいます。頻尿で受診された方が、実は毎日2Lほどアイスコーヒーを飲まれており、量と内容を変更して改善されたことも実際あります。
参考までに、妊婦さんが1日に摂取しても問題ないとされるカフェイン量は200mgほどとされています。1杯150-200mlとして代表的な飲み物で換算すると、コーヒー:約1.5杯、紅茶:約3杯、緑茶:約9.5杯になります。カフェインが含まれている量もそれぞれの飲みもので異なるため、ある程度カフェインの1日の摂取量を意識して摂取すると、頻尿が軽くなる可能性があります。
もうひとつ注意したいのがアルコールです。アルコールにも利尿作用があり、膀胱を刺激することで排尿回数が増えたり、夜間の目覚めにつながったりすることがあります。症状がある方は、お酒の量や頻度にも気を配ってみましょう。
具体的に飲み物としておすすめは、ノンカフェインの飲み物です。たとえば麦茶は身体を冷やしすぎず、日常使いに最適です。最近よく見かけるルイボスティーもノンカフェインで香りがよく、リラックス効果も期待できます。風味を楽しみたい方には、デカフェのコーヒーも以前より増えており便利です。
症状に合わせた飲み物の選び方と、飲むタイミングを少し見直すだけでも、排尿トラブルの軽減につながります。できることから一つずつ、無理なく始めてみてください。